原子の組み合わせのルールとは?
前回は原子についてのお話をしましたが、今回はその原子の組み合わせの「ルール」についてのお話しをします。

たくさんの原子から物質ができるのはわかったけど、化学物質ってどんな原子の組み合わせでも良いのかな?なにかルールがありそうだけど…
デタラメにつなげてもよいの?

どんな組み合わせでもいいってわけじゃないんだ。少しだけルールがあるんだよ
原子同士がつながってできる物質を「分子」と言います。
この原子の繋がり方によってたくさんの化学物質が生まれます。つがり方には簡単なルールがありますのでそれを見てみましょう
原子には手が生えている?
化学を知るのに最低限必要な元素はC、N、O、Hの4つだけと前回紹介しました。
原子同士がつながっていくのは手が生えているからなんです。
原子には最高4本の手がはえています。
炭素は4本、窒素は3本、酸素は2本、水素は1本です。
この手同士が握り合うと一本の結合ができます。
まずは、水素を例に考えて見ます。
水素は手が一本生えていて、それを近づけて行くとくっつきます。そして手を握ると一本の結合ができました。
炭素と窒素も同じようにして手を繋げさせてみます。すると炭素は「4本」手があるのに対して、窒素は「3本」しかありません。なので一本手が余ってしまいます。手が一本余ってしまったらとりあえずマイナスとして書いておきましょう。(手を失ってしまった場合はプラスと書いておきましょう)

原子はさみしがりやだから、手が余っていたらたくさんいる水素くんと手を繋げさせてあげよう。そうしないと大変なことになる。

え?そのままほっておいたらダメなの?

マイナス(負)のオーラをまとってしまった原子は、グレて他の原子たちを攻撃し始めてしまうんだ。グレた状態を「イオン」と呼んでいるよ。

原子って意外とデリケートなんだね

そうなんだ、「マイナスイオン」って聞くと安らかなイメージかもしれないけど、彼らは非常に攻撃的で、実は化学反応はこのグレた原子たちが引き起こしていることが多いんだ。でも化学にとって「イオン」はとっても重要なんだ。この話はまた今度しよう
手の数は覚えるしかないの?

たくさん原子があるけど、手の数って一つひとつ覚えないといけないの?それって大変だなー

覚えなくても大丈夫。周期表を見れば、簡単にわかるよ!
周期表の右端が0本で、そこから左に向かっていくにつれて手が1本ずつ増えていきます。手は最高4本なので炭素以降は一本ずつ減って水素の列で1本になります。

周期表の右端は手がない原子たちで「貴ガス」と呼ばれてるよ。


そうだよ!手がない貴ガスたちは、寂しさなんて感じない孤高の存在なんだ。他の原子たちはみんなこの貴ガスたちにあこがれて貴ガスの存在になろうと頑張っているんだよ!
手の正体とは?
手が生えているといっても、人間と同じような手が生えているわけではありません。
原子の手の正体は一体どんなものかというと
それは「電子」です。お互いの原子が持つ電子を出し合って共有すると一本の結合ができます。
それはまるで手を繋いで互いに「平和条約」を結んでいるような感じです。
実際に通常電子同士は反発して同じ場所には行きたがりませんが、手をつなぐときは別です。
電子は基本的に反発するので結合も(手、線)もなるべくお互いが離れた位置にあるように書きます。でも手をつないだときは一箇所に集まったように書くことができます。
まとめ
・原子には決まった数の手が生えている。
・周期表を見れば、手の数は簡単にわかる。
・互いに手を出し合うと一つの結合ができる。
・手の正体は電子
・なるべく手をつないだ状態にしないと攻撃性が高い(反応性の高い)イオンになってしまう。
このように手をつなぐと様々な分子ができます。
メタン:燃えやすいため「都市ガス」としてガスコンロなどに利用
アンモニア:虫刺され薬のキンカンの有効成分として含まれている。キンカンの匂いはアンモニアの匂い。動物の尿にはアンモニアが多い種類がいる。
水:身近な水はとっても簡単だけど重要な物質。
水素:水素は軽いガスで、燃えると水になる。水素ガスは次世代のエネルギー源として注目されている。
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